「スローガン」 感恩戴徳(かんおんたいとく)

理事長 片桐 伸太郎 

【はじめに】
白河青年会議所は、68 年という長きに渡り、このしらかわ地域に明るい光を注ぐために諸先輩方が血と汗と涙を流し運動、活動を展開してまいりました。敬愛する先輩方が繋いでこられたその情熱は今もなお変わることはなく私たちに脈々と受け継がれており、「奉仕」「修練」「友情」という青年会議所の三信条のもと、明るい豊かなしらかわ地域の実現のために運動を展開しております。
近年では、少子高齢化による人口減少、異常気象や激甚災害の頻発化などの環境問題、経済の低迷、国際情勢の不安定化など、いままでにあった課題の他にも新たな社会問題が生じています。これまでの白河青年会議所がその時代に合わせて社会課題を解決するために全力で運動を行ってきたように、これからの白河青年会議所も時代に合わせて組織を変革し、社会課題を解決するために我々だからで
きること、我々にしかできないことを見極め、一歩一歩確実に歩みを止めず運動、活動に邁進してまいります。
そして、この白河青年会議所が60 年以上、こうして運動を展開できた背景には、利他の心で会員同士が一枚岩となって活動してきたことはもちろん、行政、他団体、そして地域の皆様が心を寄せ協力してくださったからに他なりません。我々白河青年会議所だけでは小さな運動かもしれませんが、それが多くの皆様と手を取り協力し合うことで大きな運動となり、よりしらかわ地域に大きな光を注ぐことができると考えます。これまでも、これからも協力いただいた皆様に思いやりと感謝の念をもって多くの皆様と手を取り合い、よりよいしらかわ地域の実現のために運動をおこなってまいります。


【まちづくり】
新型コロナウイルス感染症の猛威も落ち着いたのは束の間で、近年稀にみる物価上昇により多くの産業が大きな打撃を受けています。その中でも我々白河青年会議所は、しらかわ地域を明るく照らすため「まちづくり」を継続しておこなっていかなければなりません。
このしらかわ地域には、文化財や観光名所、食文化や自然など、多くの魅力があります。これらを発掘し魅力を発信することも重要ですが、時代に合わせ今あるものを掛け合わせ新たな魅力をつくりだす運動をおこなっていくことも必要です。新たなしらかわ地域の価値を見出すことが、人口移動の減少、交流人口増加に繋がり、活気あるまちづくりになると考えます。


【ひとづくり】
日本全体や、このしらかわ地域においても人口減少に歯止めは効かず、徐々に減少することが予測されており、急に人口が増加することは難しい状況です。そのため、今いる人材のなかでまちづくりをおこなう必要があり、ひとづくりがとても重要になります。「ひとづくり」こそ「まちづくり」という言葉があるように、組織や地域は人がいるからこそ成り立つものであり、その人がどのように成長するかが、まちの発展に大きく影響すると考えます。人口減少が大きく叫ばれる今だからこそ、次代を担う人材は今まで以上に貴重なものであり、この地域の魅力や夢を描ける成長の機会を提供することで、この地域のために行動できる「ひとづくり」がおこなえると考えます。


【広報】
広報をおこなうことは、我々が地域社会と良好な関係を築き、信頼を構築するために必要不可欠なものであり、情報発信を通じて我々の活動を地域に伝え、理解と支持を得ることで、地域に根差した団体になるために重要な手法です。近年IT の飛躍的な進歩により、多くの情報発信ツールを手軽に使用することができますが、どの層をターゲットにするか、どういった内容を広報するのかなどで使い分けをするのが非常に難しい状況です。しかしながら、それを見極め適切で的確に情報を発信することで最大限の効果を発揮することができます。誰のために何をどうやって広報するのかをしっかりと見定め我々の運動を最大限、多くの方々に共感して認知いただけるよう情報を発信してまいります。


【会員拡大】
青年会議所が、明るく豊かな地域を実現するためには、多くの同志が必要です。多くの同志がいることで多角的な視点で物事を捉えることができ、運動の効果を最大限発揮できるからです。また様々な価値観をもつ同志と運動、活動を共にすることで個人の器を広げ成長にもつながります。会員拡大を行うには、どういった運動をおこなっているかを広報する活動も必要ですが、それ以上に魅力ある運動をおこない魅力ある団体であることが必要であると考えます。会員一人ひとりが他人事ではなく自分事と捉え会員拡大をおこない、多くの同志と共に歩みを進めることで、より魅力的な運動を展開でき、さらに魅力のある団体となることで同志が増えるという好循環の輪を生み出すことができると考えます。

【組織】
組織を作り出すには決められた各々の役割を全うする必要があり、それは青年会議所が一番重きを向けていることだと感じています。年度ごとに役割が変化し、その役割によって見ることも感じることも、伝えなければならないことも変化し、同志を一番に思って一つ一つの言動を考え行うことこそが会員の成長に繋がります。会員一人ひとりに対し、思いやりを持つからこそ厳しく、そして優しく
他者へ接することを学べることが青年会議所の素晴らしさだと感じます。同志に思いやりを持って、互いに尊敬しあい理解を深めあうことで組織は強固なものとなり、最大限の成果を出すことができます。それはこれまでの白河青年会議所がおこなってきたことでもあり、これからも未来永劫運動を続けるために白河青年会議所に必要不可欠なことだと考えます。


【しらかわ未来ヴィジョンについて】
我々白河青年会議所は、創立60 周年の際に、この地域をより良くするための指標として中期ヴィジョンである「しらかわ未来ヴィジョン」を策定いたしました。策定から8 年という月日が経ちますが、いまでもこの中期ヴィジョンは私たちの指針の一つとなって運動を展開しております。今後も地域に光を注ぎつげられる団体となるためには、70 周年に向けて今一度「しらかわ未来ヴィジョン」と向き合い、振り返ることが必要です。今後80 年、90 年、100 年とこの白河青年会議所がしっかりとしたヴィジョンを持ったうえで地域により良い運動を発信するために邁進してまいりましょう。


【法人格について】
我々白河青年会議所は、2008 年に施行された公益法人制度改革により2010 年に移行申請をおこない社団法人から公益社団法人となりました。それ以降、公益社団法人としての恩恵を受け多くの運動、活動に邁進してまいりました。しかし会員が減少する中で公益性を担保することが難しくなっているのも事実です。これからも長期的にしらかわ地域をより良くする運動がおこなえるように、公益社団法人、一般社団法人について改めて理解し、法人格について慎重に検討していく必要があります。


【むすびに】
私は社会人経験の少ない23 歳で敬愛する先輩の誘いから白河青年会議所の門を叩きました。そんな右も左もわからない私にすべてを教えてくれたのは敬愛する先輩方であり、この白河青年会議所です。社会人としてあるべき姿ややらなければいけないことなど多くのものを学び、その貴重な経験は私の血となり肉となり、今の私がいます。この私という人間を形成してくださった諸先輩方や同志の会員、白河青年会議所には感謝しかありません。今後、この白河青年会議所の門を叩く後輩達にとってそういう場所であり
続けられるよう次代へと白河青年会議所の歴史を紡いでまいります。人は一人でどんなに頑張っても小さな力です。しかしそれに共感し同じ方向を見て行動する同志や協力者がいるからこそ大きな力で前へ進めることができます。協力を得るというのは当たり前のことではありません。

協力してくれる方々に思いやりと感謝の念をもって一緒に明るいしらかわ地域をつくりあげるために一歩一歩確実に歩みを進めていきましょう。